36ch

いろいろ

映画感想

先日あちこちで話題の映画

アリースター誕生を観て来た

予告編をみて興味を持ち、CMなどの感想から多少の期待はしていたんだよな

タイトルのスター誕生

それに至る努力や諦めないなどの姿勢から、見たものに希望や勇気など感じさせると、どっかで言われてた

他では違う見解だったかもしれないが

まあ、そういったものは何も感じなかった

メッセージも受け取れなかった

ガガの演技が上手い?

そんなことはなかった

あの映画の見所はなんだと聞かれたなら

ズバリ、歌詞に沿った内容の良くできたミュージックビデオといったところだろう

ガガの歌が良かった

歌詞が良かった

異性と付き合ってるとそれぞれの想いがあり、意思の疎通がとれないことが多々ある

そんな光景を見せつけられて最後はガガの歌が涙を流させる

ゴリ押し感が否めない

主演男性の結末だけが、なんで?

よく分からん映画だった

おしまい

 

 

神様がいるならば

この世の終わりかと思ったあの日

私は3日ほど家に戻れないでいた。

自宅まで1キロという場所で足止めを食らっていたからだ。

何とかここまで逃げてきたが、途中の何度もやってきた恐ろしい揺れ。

しかし、やがて知ることになる津波の恐ろしさは目の当たりにしてはいなかった。

標高400m程の山の上で、一夜を明かし、ガス欠の車を放置したまま海側が見える所まで歩いた。

私は、目を疑った。

なんだこれ…

そこには、絶望が広がっていた。

あるはずのものが殆ど消え、数日前の景色はそこになかった。

ドキドキが止まらず、心臓が痛くて、押し潰されそうだった。

これまでテレビで洪水、土砂崩れ、災害の映像は何度も見てはいたが、それとは比較にならない圧倒的な破壊力の痕跡に、ただ呆然と立ち尽くし、空虚感に苛まれた。

私と同じくしてその光景を見た者は、やり場のない怒りと苦しみを覚えたに違いない。

あぁ、お母さん…と後ろで佇む若い女性の声に、おやじ、妹、甥は大丈夫なのか、と家族の安否に不安でいっばいな気持ちにさせられた。

こんな時

ただ願い、ただ祈るだけ

神様お願いだ助けてくれと

そんな想いは無駄だろう。神様がいるならこんな事、神様なんていやしない。

じっとしては、いられなかった。

停止気味の頭を殴って、考えて行動するしかなかった。

きっと自宅は海の中だろう…

みんな仕事にしろ学校にしろ、海の側に居たはずだ。

何とか無事でいてくれ

その想いだけが、3月の冷たい海の中に身体を投じさせた。

だいぶ水が引いたとはいえ、身長180超えの私の肩まであった。

濁った水の中に沢山の瓦礫が、行手を阻んでいる。たった10分で身体の感覚が麻痺して、瓦礫で傷ついた足に気付きもしなかった。

誰かの家の屋根の上で休憩しては、避難場所になっている小学校を目指した。

そうして2日かけて避難場所に着いた。

 

隙間なくあちこちの壁に、行方不明者を記した名前がぎっしりと埋められている。

そこに、私の名前もあった!

その瞬間、家族の誰かが記したと思った。他の誰かかも知らないが、筆跡が妹の字に似ていた。

私は、自分の名前の下に生存している事を書き加えた。

避難場所の中を隈なく探してみたが、家族の姿は何処にもなかった。

ご近所の顔も見えず、知る者は誰も居なかった。

嫌な予感を胸に、他の避難場所へと向かう。知り合いに遭遇しては互いの無事を喜んだ。

しかし、肝心な家族の安否が分からないままで、他人の事に素直な喜びや悲しみがついてこない。

満たされている時に孤独になりたいと願っていたが、それとこれは違う。独りは構わないがそれは私だけで良い事なんだ。

次に辿り着いた避難場所では、小学生の男の子が僕のお母さんを見ませんでしたかと、何度も声を上げている。

黙って見過ごせなかった。

紙に家族の名前を書き、一番目立つ高い所に貼り付けてあげた。

ごめん

今の私にはこんな事しか、してあげれない。

男の子の家族は見つかっただろうか

あれ以来、彼を見かける事はなかったが、心の隅にずっと引っかかっていた。

3日間飲まず食わずで、三箇所の避難場所を廻ったが、何の手がかりも無いまま、最初の小学校へ戻った。

もう、ヘトヘトだった。もう、どうして良いか分からないでいた。

力無く体育館入口の扉を開け、中を見渡した。

すると聞き覚えのある声

お兄ちゃん

入り乱れる声の中、とても大きな声で、私の耳を突き刺した。

歩く隙間も無い程に、人で埋め尽くされた中、

とても恥ずかしがり屋の妹が、人目もはばからずに、大粒の涙を流して駆けてきて、私を抱きしめた。

お兄ちゃん

生きてて良かった

そう言いながら妹は、私を強く抱きしめた。

私の家族は沢山の人の優しさによって、命を繋ぎとめることが出来た。

今日まで沢山の修羅場があったが、あの日を境に考えが変わったおかげで、乗り越えられた。

大切なものは、私だけが持っているわけでは無いと言うこと。

皆が願い、祈り、そしてそれに向かって起こした優しさの奇跡。

泥だらけの顔して、絶望的な光景の中、皆の心の中に神様がいた。

 

 

同色

赤色の彼は、とても陽気な性格だった。

誰かが落ち込んでいても、彼がいるだけでその場が明るくなった。

会社の犬が現れるまでは…そうだった。

犬は初めは白色だった気がする。それが赤色になり、徐々に色が濃くなって今は真っ黒だ。

一人、また一人と犬は狂ったように吠え、噛み付いた。

そして噛んだ者達を、何色にも変わらぬようにと黒く染め上げていった。

赤色の彼は激しく抵抗したが、犬は鋭い牙で噛み付いて首を振ると、赤色の彼は為す術なく黒色に染まった。

皆が黒く染められ、何者でも無くなっていった。

残った他の色の者は、行き先の見えない広い海に投げ出された。

とても小さな船に乗り、真っ黒い荒波に揉まれながらも転覆しまいと必死にしがみついていた。

闇の中で犬が吠続けると、船は大きく揺れた。

良く見ると真っ黒い手が船を掴んで揺らしている。

私はその手を掴んで振り払おうとすると、今では真っ黒く染まった赤色の彼が、顔を出して私に言った。

私はこれでいいのかと、

その瞬間、

我に返って私は吠えた。

吠えて吠えて吠えまくった。

その声が誰に届くだろうか?

真っ暗な闇の中で真っ黒い犬が叫んだところで見つかるわけもなく、探してもくれず、

それでも、ひたすら吠えた。

すると、何色にも染まっていない者達が、私を見つけ近づいてきて、私の首輪を外してくれた。

私は闇の中を駆け抜けて、真っ黒い飼い主に飛びつき、噛み付いた。

真っ黒い飼い主は観念して、檻に入った全ての犬を解放した。

私のせいで真っ黒になった者達は、何故か黒色のままだったが、私は白色に戻っていた。

色が戻らない者達の事で、私は戸惑っていた。そこに、何色にも染まっていない者達がやって来て、私を赤色に染めた。

皆がより一層鮮やかに染めてくれた。

 

そして私は答えた

これでいい

 

 

 

 

 

 

桜咲く、散る前に

またこの季節がやってきた。

どうしても叶えたかった想いがあって、朝早くからカメラを手にして向かうは、船岡城址公園。

白石川の両端に綿菓子のようなふわふわの桜並木が続く。

その背景には、遠くの蔵王山がまだ雪帽子を被っている。

晴れた空の下、自然がもたらす三色の景色を写真に収めたくて、下見に何度か訪れては満開時期の天気予報を気にしていた。

まだ寒いが風もなく晴れている。

あっという間に散ってしまう桜を、条件良く狙うのは、とても大変だ。

さてどうだろか?と車を走らせる。

数年ぶりだ、休みが取れなかったり、悪天候で桜が散ってしまったりと散々だったのを思い出す。

待ちに待ったこの天気、間違いなく好条件だと、胸を高鳴らせて、もう近くまで来ていた。

いよいよか

フロントガラスに蔵王山が飛び込んできた。

青い空に雪帽子、そこに雪解けを運ぶ白石川が桃色の衣を羽織って顔を出した。

なんて綺麗なんだ、期間限定がさらに良く見えてくる。

いくつもある撮影スポットには、すでに多くのファンが機材を抱えて、場所の確保をしているようだ。

焦る、そりゃあそうだ。ここの景色は特に人気がある。何処にしようかと、駐車場を探して彷徨った。

ちょっと離れてるが駐車場を確保して、橋の上に向かって歩く。

橋の上には三脚が並び、ご立派な白レンズが備え付けられ、ハイアマチュアの皆さんが陣取っていた。

遅れて来た私が入り込む場所はなく、それでも空いてる隙間からファインダーを覗く。

ああ…

これだこれ

いつか見た誰かが撮ったあの写真

この景色に魅了されて、今ここにいるんだ。

思わず、やったあと感動の言葉が漏れた。

私の隣の方が、ニコッとしながら天気が良くて本当に良かったと声を掛けてきた。

そうですね、本当に嬉しいですと返したあと、設定などの話をして、互いの写真を見比べては、何度もシャッターを切った。

ひととおり撮影を終えて、隣の方に挨拶をし、橋の下にあるお花見会場へ向かった。

会場は沢山の出店が並び、多くの花見客で賑わって、皆が綺麗だと口にしてるのを耳にする。

土手沿いの桜並木を、出店で買った玉こんにゃくを口にして歩いた。

駐車場近くまでやって来て、一番形の良い桜の木を見つけた。そこから下へ降りる階段の中腹辺りに腰を下ろし、空を仰いだ。

ガヤガヤと人の声に、かき消されながらも、おっ母と呟いた。

良いのが撮れたからな、やっと見せられるよと、心の中にしまっておいた報告をした。

四季の写真をプリントしては、おっ母の仏壇に並べていた。

おっ母よー、綺麗な桜だろう。

遺影に目をやると、ありがとうと微笑んで見えた。

 

 

 

 

 

その心理が知りたい

お出かけする際は、基本的に車で出かけるのだが、いつも悩むのが駐車場である。

過去に何度となく車に傷を付けられたからだ。

駐車場に入ると、決まって誰も止めていない場所を探す。

雨が降っていようが、お店から遠く離れていようがである。

 

私は車がとても好きだし、大事に乗っている。

走れば宜しいなんて考えの人を助手席に乗せた時に、ステップに、靴底で擦り傷を沢山つけられたことがあった。

何も言えなかったが、もうその人は私の車には乗せなくなったし、会うことも激減した。

その人の車は、あちこちがへこんで大事にしてる様ではなかった。

そんな車の近くにも止めたりはしない。気を使わない人の可能性が、非常に高いからだ。

 

 

雨がとても強く降っていた日

皆がお店の近くから、順番に車を止め、車から降りて急ぎ足でお店に向かっている。

私は広い駐車場の、誰も止めていない遠くに車を止めた。

急いで用事を済ませお店を出て、自分の車に目をやった。

何故?

駐車場には、いくつも止める場所があるのに

こんなに雨も降ってるのに

わざと遠くに止めた私の車の隣に、車がとめてあった。

その心理が、分からない。

私と同じ気持ちなら、間隔を空けるだろうが、わざわざ隣に止めるのはどうしてなのか?

何処に止めたって、それは自由だが…

 

 

その心理が知りたい。

分かってるつもり

会社で嫌なことがあると、つい愚痴を言ってしまうことがある。

その度に言わなきゃ良かった、と後悔する事が多い。

嫌い、大嫌いな奴の愚痴を言ったとき、ごく稀に、本当は好きなんでしょ?

いつも気にして見てるから きっと好きなんだよと、言ってくる人がいる。

その後も、私の分析をしてるかのように、私の気持ちを決めつけてくる。

私の何を知ってるんだ!と、言い返したくなるが、こういう人は厄介なのでやめとく。

犬がこっちを見つめ、寄ってきてズボンの裾に鼻を付けてきた。

とっさに避けようとすると、あなたのこと好きなんだわと、飼い主が言う。

私はこの世で犬ほど嫌いな生き物はいない!

犬という生き物の全てが嫌いだ!

人間が書いた犬の気持ちなる本を片手に、犬の気持ちを代弁してる飼い主の顔は、誇らしげだった。

ズボンの裾が気になってる私の気持ちは、分からないだろうが…

そういえば、私ほど熊を理解してる者はいないと、自負していた男が熊に食い殺されたっけな!

大切なパートナーを巻き添えにして

パートナーの熊に対する気持ち

分かっていたのだろうか?